【技術者コラムvol.13】周波数問題
第1種/宮崎県延岡市/S.M
電気技術者なら、日本に周波数問題があることはご存じだろう。
具体的に言うと、関西電力以西は60Hz、中部電力以東は50Hzである。
昔は関西地区から関東地区へ引っ越すときは、家電製品を更新する必要があった。
最近家電製品はほとんど50/60Hz兼用となっている。
しかし、工場の場合は簡単ではない。
私が所属していた会社は昭和初期の創業だった。
九州にあるが工場の周波数は50Hzであり、九州電力から電気を買うことができず
自家用発電所で電気を発生していた。
ドイツのシーメンスから発電機を買ったので50Hzであった。
一方、アメリカのGEから発電機を導入した場合、60Hzとなる。
昔は50Hzと60Hzの会社が混在していたが、次第に統一されたようである。
私の会社は周波数変換に乗り遅れたようだ。
同じ境遇の会社は全国に数社ある。
各社工夫して電力の一部を周波数変換している。
水銀整流器やMGを使って周波数変換を行っているが、私の会社は半導体変換装置を設置し
電力の一部を周波数変換している。
つまり、電力会社の60Hzの電力を50Hzに変換して使っている。
周波数問題はやっかいである。