【技術者コラムVol.28】直流送電と交流送電

第1種/宮崎県延岡市/S.M

電力技術の黎明期には直流送電方式と交流送電方式のバトルがあった。

直流送電方式の旗手はかの発明王エジソンである。交流発電方式の旗手はテスラであった。

エジソンはGEを味方につけて、戦いを有利に導いた。

一方テスラにはウエスティングハウスが後押しした。交流方式は変圧器により、電圧を高くできて、長距離送電が可能になることが判明し、勝敗が決した。

現代に目を向けてみよう。

直流送電では交直変換装置が高価なため、普及例は少ない。

海底ケーブルでは交流では充電電流が大きくなるため、直流送電が用いられている。

北海道~本州間の海底ケーブルは長さ167km、電圧±250kV、電力60万kW、

四国~本州の海底ケーブルは長さ100km、電圧±250kV、電力140万kWの2例がある。

九州では再生可能電力が余っていて、出力抑制が続いている。

九州~本州の海底ケーブルができれば、エネルギーが有効に活用されるのではないだろうか。