【技術者コラムvol.39】パルスに如何に反応するか ---思考の伝達関数---

第2種/埼玉県さいたま市/A.T

今やIT(情報技術)全盛の時代。

我々現代人は、膨大な情報の渦中に存在すると言っても過言ではないだろう。

この情報に如何に反応し、処理し問題解決できるかが問われている。

すなわち、情報というインパルス(入力)に如何に反応できるかがキーポイントとなる。

人間には、各人、人には見えない脳のブラックボックスがあって、パルスに対し各人各様に対応している。

ブラックボックスは情報に対する伝達関数といってもいいだろう。

人によって様々な思考回路があるはずである。

ここで【入力(情報)→思考のブラックボックス(伝達関数)→出力(考え)】の図式が浮かんだ。

この伝達関数は、人間の資質、努力、熱意、日ごろの問題意識、自己のデータベース、情報処理能力、アイデアを生む発想力(ひらめき)に関わってくる。

データを処理・加工し自己の意見を添えて出力するためには、常日頃頭に浮かんだ考えをメモ(キーワードでもよい)しておくという、地道な努力の集積の結果が現れるはずである。

長い文章も、このメモの積み重ねで成り立つ。

大きな問題も、小さな問題解決の積み重ねで解決の糸口がつかめるように思う。

パルスにも穏やかなものもあるだろうし、これにはゆっくり考えて反応すればよいだろう。アナログ的回答もいい。

パルスの中には、緊急を要するデジタル的なインパルス応答を求めてくるものもあるだろう。現代は、このインパルスへの反応ができるかどうかも資質として求められている。

これに対処できる能力を身につけるには、入出力の繰り返しの訓練によって、鍛え上げられる以外にはないのではないか。

入力したものを自分の考えの伝達関数で出力する。

出力が芳しくなかったら、フィードバックして入力に戻しやり直す。

このフィードバックの繰り返しにより、考える力のある人は思考回路のパイプが太く、柔軟になるのではないだろうか。

逆に考えない人は、このパイプが細く固いのではないだろうか。

要するに情報というパルスが人の心に響くかどうかは、その人の問題意識に大きく関わっているはずである。