【技術者コラムvol.43】書家・詩人「相田みつお」
第2種/埼玉県さいたま市/A.T
近年、書家・詩人「相田みつお」の書をよく目にする。
正直言って、字はあまり上手とは言えないが、実に味のある字を書いている。
それ以上に、書かれている内容に興味を持った。ごく当たり前の事象を独自の考え方でまとめている。こころの内面を掘り起こしたような作品もあり、また、ビジネスに役立つようなことがらにも触れている。
どんな人物なのか興味を引かれたので、調べてみた。
大正13年、栃木県足利市生まれ。旧制中学の頃から短歌・禅に出逢い、独自の世界観を書として表現した。昭和59年、「にんげんだもの」出版を機に、多くの日本人の心をとらえ、根強いファン層を拡げた。平成3年12月、67歳で逝去。平成8年、東京銀座に「相田みつお美術館」が開館された。
生前は、あまり評価されず、むしろ、その死後注目を浴びるようになった。その生き様は、「にんげんだもの 相田みつお物語」と題して、テレビドラマ化された。ひとつの書を認めるのに、納得がいくまで、何度も何度も書き直ししている姿が印象的だった。
わたしの好きな書がいくつかある。
「人生編として」
① 一生 勉強 一生 青春
② ともかく 具体的に動いてごらん 具体的に動けば 具体的な答がでるから
③ ひとつの事でも なかなか思うようにならぬものです
だから わたしは ひとつの事を一生けんめいやっているのです
④ 一とは原点 一とはじぶん
⑤ しあわせは いつも じぶんの こころが きめる
⑥ 「道」
道はじぶんでつくる 道は自分でひらく
人のつくったものは じぶんの道には ならない
「人の出逢いをテーマとして」
①「逢」・・・奥深い意味が込められている
②「めぐりあい」
あなたにめぐりあえて ほんとうによかった
ひとりでもいい こころから そういってくれるひとがあれば
③「ただいるだけで」
あなたがそこに ただいるだけで その場の空気が あかるくなる
あなたがそこに ただいるだけで みんなのこころが やすらぐ
そんな あなたにわたしも なりたい
いずれも、心の深淵から涌きだしたような作品である。