【技術者コラムvol.45】官(経済産業省保安監督部)の立ち入り検査
第1種/宮崎県延岡市/S.M
官(経済産業省保安監督部)の立ち入り検査
私は電気主任技術者に選任されていたとき、官の立ち入り検査を4度経験した。
参考のため、そのときの様子をメモしておこう。
工場の電気設備(受電設備)の立ち入りが1度、工場の電気設備の自主保安検査が1度、風力発電設備の自主保安検査が1度、太陽光発電設備の自主保安検査が1度の合計4度の経験がある。
工場の立ち入り検査の場合、1カ月前に突然工場に立ち入るとの連絡があった。
何を準備すればよいかを確認したところ、スケルトン、保安規定、点検記録との回答だった。
スケルトンで電気設備の概要を説明し、保安規定で保安組織、点検周期と点検内容を説明した。
最後は点検記録の閲覧があった。
電気主任技術者の検印の有無をチェックしていた。
現場の電気設備を見ることはなく、30分ほどで立ち入りは終了した。
第2回目は工場の新設の受電設備の自主保安検査であった。
66kVの受電設備と変圧器の新設であった。
このとき、変圧器の温度試験はメーカの工場の試験結果でよいとのことで省略された。
新設の受電設備と既設の6.6kVの発電機の連系(同期運転)の説明を求められた。
第3回目は風力発電設備の自主保安検査であった。
このときは絶縁耐力試験の印可電圧の計算式の説明を求められた。
また立地が岩場であったので、接地抵抗の低減方法の説明を求められた。
困ったのは負荷試験であった。
風速がそれほど強くなく、発電機の温度上昇が鈍かった。
後日、温度上昇試験結果を提出するように言われた。
4回目は太陽光発電設備の自主保安検査であった。
このときも官は変圧器の温度上昇試験を気にしていた。
幸い天候が良く、温度上昇試験は問題なかった。
官は発電機や変圧器がある場合、温度上昇試験に興味をもつので、前もって準備しておく必要がある。