第2種/埼玉県さいたま市/A.T
近年、ヨーロッパ各地を訪ねる機会があったが、異国で感じたことのひとつに日本との通貨の違いがある。EU(ヨーロッパ連合)の通貨統一で、欧州のほとんどがEURO(ユーロ)になった。私は、過去のヨーロッパの通貨はよく知らないが、現在の通貨、特に紙幣は、何だか子供のおもちゃのように安っぽく、ペラペラしているように感じられた。それに比べて、日本の紙幣は精巧で緻密な細工が施されている。この違いはなぜなのか考えてみた。
日本人の民族的特徴として挙げられるのが、生真面目さ、勤勉さなど妥協を許さない点である。それゆえ、日本の紙幣は精巧さを求めているのではないかと推察される。一方、日本人はその頭脳の優秀さゆえ、紙幣を偽造する技術も兼ね備えている。このような視点からも日本の紙幣は、すかしを入れる、図柄を工夫するなど段々バージョンアップしているように思われる。
片や、ヨーロッパの紙幣はなぜこんなに安っぽいのか。欧米人は、一般的に楽天的だと言われる。生活や仕事も日本のようにせかせかしていない。なるようになるさ「ケセラセラ」ともいわれ、明日のことまで気にしない国民的気質がある。一方では、意外にも各地にスリが多く、治安もあまりよくはない。そのスリも実に巧妙な手口を使うそうだ。そのような器用な才能があれば、あの安っぽい紙幣くらい簡単に偽造できそうなものなのだが・・・。そのような紙幣で支障がないということは、偽造事件はあまりないのかもしれない。硬貨(コイン)も日本のそれは、大きさや色を変えて、識別しやすくなっている。それに対し、ヨーロッパのコインは、若干大きさに変化があるものの、何か単一の色が多く数字を確認しないと判別しづらく、人にやさしくない。今風に言えば、ユニバーサルデザインに欠けている。先進国にしてはちょっとお粗末な感は否めない。
歴史を振り返ると、ヨーロッパは、文学、音楽、美術、建築など、どれをとっても、日本よりはるかに伝統もあり、精密さが感じられるのに、なぜ紙幣はラフなのか?このギャップはどうして起こるのだろうか。ひょっとして、欧米人の性格も時代とともに変化してきたのだろうか。通貨ひとつとってみても、国民性の違いを感じさせられる。
