【技術者コラムvol.115】正義

1種不合格/鹿児島県鹿児島市/T.A

正義という素晴らしい言葉がある。

子供の頃の正義の味方はテレビや漫画に多く登場した。悪を懲らしめ最後に勝利する。私の時代は「月光仮面」「怪傑ハリマオ」「鉄人28号」「鉄腕アトム」と正義の味方だらけであった。ストリーは子供向けでありはっきりしている。初めから悪者と正義の味方ははっきりしていて悪者が目的がはっきりしない乱暴狼藉破壊工作をする。

彼らはいったい何のために乱暴狼藉をしたのかストリーからは読み取れない。ただその結果正義のヒーローによって倒されハッピーエンドとなる。

ではこの悪者はいったい何のために正義の味方に対抗したのだろうか。国家や地球を征服する事が目的の悪者が主だったように覚えている。

国家征服の目的を持った悪者ははたして本当の悪者だったのだろうか。

彼らの考えは正義の味方側の現在の国家を征服する事が国民を開放し、幸せにするという正義があったから戦ったのではないだろうか。

先の大戦で我が国は米英と対戦し結果敗北し無条件降伏した。

「大東亜戦争」と銘打ってアジア諸国を蚕食し植民地化する悪者の米英から東亜諸国を開放するための正義の戦いとして開戦し、多くの若者がそれを信じ死んでいった。

敗戦末期には全国の都市が無差別爆撃で焦土と化し多くの民間人が死んだ。東京大空襲では10万人の無辜の市民が死亡し最後はウラン型とプルトニウム原子爆弾の実験場として広島と長崎が利用され20万人以上の市民が死んでいる。日本は悪者だったから多くの国民が死なねばならずアメリカは何十万の人間を殺してもよい正義の味方だったのだろうか。正義は正義の味方側にも悪者側にもありどちらが本当の正義かは判らない。

現在アメリカとイラン間に戦争が始まったが双方の正義は真っ向から対立している。

どちらが正義かは結果次第である。勝った方が正義となり全てが正当化される。

子供の頃の正義の味方は「正義」だから常に勝つのではなく「勝つ」から正義になっており負けた方は悪となっている。