定年退職後に取得した資格で70代でも現役

――電気主任技術者の資格はいつ取得しましたか? 電気主任技術者の資格を取得したのは、60歳を越えた定年退職後です。 学生時代は工業系の学校で勉強をしており、卒業後は機械の整備や保管、管理などの仕事を行っていました。 高度経済成長の波に乗って機械化も進み、仕事の幅も増えたのと同時に、電気は必要不可欠なものだということは常に感じていました。 定年退職まであとわずかとなったとき、一度は仕事から離れてのんびりしようと思っていたのですが、やはり何かしら働いていないと気持ちが落ち着かないようで、細々とでもいいので仕事は続けたいと思うようになったのが資格を取ろうと思ったきっかけです。 年齢や体力面の不安もあり、細く長くできる仕事と考えたとき、電気主任技術者の資格にたどり着きました。 数十年ぶりの勉強ということで非常に苦労はしましたが、定年退職後とでしっかり勉強時間も取れたので、第三種電気主任技術者を取得することができました。

弱った足腰の不安を若手と会社がサポート

――現在はどのようなスタイルで勤務されていますか? 私が行っているのは、月に1回点検を行う月次点検と呼ばれるもので、1カ月のうちに4~5日かけて、十数か所ある高圧受電設備を巡回し、設備に異常がないかを点検するものです。 本来は資格のある私一人での点検も可能なのですが、もともと足腰が弱かったのと年齢による衰えもあり、現在は嵯峨君にサポートしてもらいながら二人体制で業務を行っています。 嵯峨君が常に先読みして進めてくれるので気力や体力の余裕が生まれますし、彼に教えることで自分の気持ちも改めて引き締まります。 また、点検する日程については、ある程度私の方で決められる自由度も高いほか、会社からの手厚いサポートが何よりもありがたいですね。

電気主任技術者として働くことが一番の元気の源

――元気で働くために気を付けていることは? 妻が気を遣って減塩や菜食メインの食事を作ってくれているのと、趣味で行っている家庭菜園ですかね。 近くに畑を借りて、週に4~5回足を運んで季節のさまざまな野菜を育てるのですが、収穫の時期になると毎日同じ野菜ばかりになってしまうので、妻が眉をひそめることもありますが(笑) ただ、一番は電気主任技術者として働いていること自体が、健康にもつながっているかと思っています。 私の仕事が、電気を安心・安全を支えていると思うと仕事にいい緊張も出ますし、翌月のスケジュールを立てるのも楽しみになります。 これからもできる限り今の仕事が続けられるよう、健康管理と体力の保持を気にかけていきたいです。