【技術者コラムvol.58】和算

第1種/宮崎県延岡市/S.M

江戸時代の数学、和算

江戸時代の数学というと、鶴亀算や旅人算を連想する人が多いだろう。

ところが、江戸幕府の支援もあり、関孝和等の和算の研究は世界的なレベルに到達していた。

現在の数学で言えば、高校の数学を超え、大学のレベルに達していて、一部はニュートンなど世界の数学者と同レベルにあった。

1.三大和算学者の実績紹介

その実績を紹介しよう。

その1 関孝和

  • 整数論  最大公約数や剰余定理
  • 連立一次方程式の解法
  • 高次(6次)方程式の解法(ニュートンの近似法と同じ)
  • 行列式の発見 ライプニッツより10年前
  • 円周率の計算 分数近似で12桁まで計算
  • 級数と級数の和の計算
  • 球、回転体の体積、楕円、円錐断面の面積
  • 補間法

その2 建部賢弘

  • 多元連立方程式の精密な解法
  • 円周率の計算の精度アップ(41桁)

分数で近似

級数で近似

  • 逆三角関数のテーラー展開 オイラーより15年前
  • 指数関数の2項展開
  • 球の表面積の計算
  • 数学的帰納法
  • 無限の概念を導入

その3 久留島義太

①整数問題 オイラー関数 オイラーより10年前

  • 平方根の近似解を分数で表示
  • 2項係数
  • 方程式の判別式
  • 整数方程式
  • 行列式のラプラス展開 ラプラスより15年前
  • 無限級数の概念」を導入
  • 多角形の内接円と外接円の比を無限級数で表す。
  • 極値」問題

 

  • 庶民の和算

関孝和は多くの弟子を育成し。弟子は寺子屋や和算塾を立ち上げ、和算は普及した。

商人の子弟はそろばんや和算を学び、実用に役立てた。

  • 遊びと和算

和算は魔方陣、裁ち合わせなどゲームやパズルなど遊びを通して子供たちにも普及した。

  • 算額

和算の問題の額を作成し、神社に奉納する算額が流行した。

解いた人は解答の額を作成し、奉納した。

  • 和算道場

昼間は子供の寺子屋、夜間は大人を対象とした和算道場もあった。