1種不合格/鹿児島県鹿児島市/T.A
平成25年 6万ボルト2回線の変電所を管理すると共に地熱発電所を建設することになった。地熱発電所開発は九州電力が多くの実績があるが民間では温泉枯渇の懸念から温泉組合等が反対しまた多くの泉源は国立公園内にある場合が多いためなかなか進まない。なんとか合意に達したらしく既に生産井は掘り終え蒸気噴出量を確認済で建設工事は大手プラントメーカーと契約済み、容量は高圧千数百kwで設計協議に進んだ。協議が終り建設が始まりいよいよ試運転段階になった。
プラントは中東I国のもので世界中である程度の実績があるため採用したが試運転中何度も保護装置が働きトリップした。接地を見直し何とか営業運転にこぎつけた。監視室を設け24時間運転員常駐管理としたが大雨の日や台風時は頻繁に関係ないタービン振動等の保護装置が働きプラントが停止した。電力会社に問い合わせると停止時は発電所への分岐線で大きな零相電流が検出されていた。発電所での地絡は発生していないにも関わらず多くの零相電流が流れている。日本の配電線は非接地方式で電力会社の変電所のEVTだけが接地され需要家は接地してはならない。配電線で地絡が発生した場合現場Vo5% 200mA,変電所Vo8% 400mAでトリップとなる。電力会社が検出した分岐線零相電流は200mAを超えていたが発電所の方向性PASは作動していない。
原因を追究するべく図面を見直すと当プラントは中性点が接地してある。
結局大雨時等に発電所の関係ない継電器が作動する原因は本来変電所EVTに集まる零相電流が発電所中性点に集まりここから電力会社の変電所還流している事が判明した。 I国では配電線は接地方式だったらしい。この零相電流が無関係の保護継電器を作動させていたのだろう。発電所の中性点を切り離した結果事故は激減した。
高圧は非接地方式と思い込んでいた私の盲点をついた事故であった。
